この恋が罪だとしても



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♪〜♪〜♪〜


お昼を食べ終えた私は、八雲のリクエスト通り、最近流行りのバラード曲をピアノで弾いていた。


音楽室は本来、吹奏楽部が練習に使う。


だから私は、こうしてお昼時や、朝早い時間にピアノを借りては弾いていた。


家にピアノはあるけれど、学校にいる時間もピアノに触れていたい。


学校生活で、これと言って熱中できる物のない私にとっては、ピアノだけが唯一の心のよりどころだった。


そして、何より無心になれるところがいい。

考えたくないことも、ピアノを弾いている時だけは、忘れることが出来たから……。