その一言に、皮肉と寂しさがこもっている気がして、なんとなくその場を動けなかった。
『いてて……本気で叩きすぎっしょ』
頬を強く叩かれたのか、男子は痛々しそうに頬を擦っている。
自分から誰かに関わるなんて、もう無いと思ってたのに……。
『お節介……』
昔から、お節介と分かってても首を突っ込む癖があった。
ほっとけないなんて……エゴでしかないのに。
私は、自分の性格を恨めしく思いながら、男子の方へと足を向ける。
『えと……大丈夫?』
『え……?』
男子の目の前に立つと、驚いたように目を見開かれた。
それはそうだろう、私は今びしょ濡れだから。


