『最低、本気だったのにっ!!』
『ごめんね、俺、本気とか絶対お断りだから』
『うぅっ……』
明らかに修羅場な声が、B組の教室から聞こえてくる。
関わらない方がいい、早く立ち去ろう。
――バンッ!!
『邪魔なのよ!!』
『あ、ごめんなさい……』
そう思って通り過ぎようとした時だった、入口から飛び出してきた女の子と衝突してしまう。
ぶつかってきたのはあっちだけど、ものすごく怒られた。
はぁ、今日は究極についてないや……。
そう思って、そこから立ち去ろうとすると、
『はぁ……本気、ねぇ……。どこまで本当なんだか』
『…………』
B組の教室に取り残された男の呟きが聞こえた。
なんとなく気になって、教室を覗き込むと、机に腰掛けて、前髪を掻き上げる男子がいる。


