「あ、見て……空が……」
先程までザーザー雨の空は、雨上がりのキラキラとした青空に変わっている。
2人で雨に濡れた屋上のコンクリートを踏みしめると、途端に幸福感が溢れてきた。
今この瞬間、あの綺麗な青空を泉くんと見られたことが、本当に嬉しい。
「すげーな、虹までかかってるぞ」
「え……わぁっ、本当だっ」
それに、つい興奮してしまった私は、泉くんにまんべんの笑顔を向ける。
すると、一瞬驚いた顔をした泉くんは、ゆっくりと笑みを浮かべて、私を見つめた。
「梓の笑顔、初めて見た。そんな風に、笑うんだなっ」
「あっ……」
そう言った泉くんは、今まで見たことのない破顔した笑顔を浮かべている。
「私も、泉くんがそんな風に笑うなんて知らなかったよ……」
「泉くんじゃなくて、名前で呼べって。俺達、その……やっと、特別な関係になれたんだろ?」
照れくさそうにお願いしてくる泉くんも、破顔する泉くんも……全てが新鮮。
この人の特別な表情、仕草をもっと知りたい。
ずっと傍にいたら、いつか泉くん……晴希くんの全てを知ることが出来るのかな。


