この恋が罪だとしても



***


教室に荷物を置いて雪乃と別れた私は、楽譜を手に1人で音楽室へとやってきた。


――ガラガラガラ……。

中に入ると先客がいて、私にヒラヒラと手を振る。


「お、来たきた〜」

「え、八雲??」


いつもならギリギリに来て、私のピアノを一曲聞いてから教室に戻るのに……。


今日は、私より早く音楽室にいるなんて……。

今日は、いつもの日常とは変わったことばかりが起きる。


「梓の顔が見たくてね〜」


その笑顔は相変わらず胡散臭い。

また、調子のいいことばっかり……。


「あのねぇ、また……っ」


そうツッコもうとして、口を噤んだ。

告白してくれて、しかもこれから断ろうとしているのに……。

八雲を傷つけるような言葉なんて言えない。