「どうして……こんなに……好きなんだろう……っ」
その表情に、仕草に、言葉に……。
私はコロコロと心を動かされる。
幸せな気持ちになったり、悲しくなったり……不思議だ。
「泉くん……っ」
名前を呼ぶだけで、こんなにも胸が締め付けられる。
私……本当に、馬鹿だ。
傷つくだけの恋なんて、しない方がいいって思ってたのに……。
考えても、思ってても……この想いを捨てられないことは、とっくに気づいてた。
必死に、気づかない振りをしていただけだ。
私はゆっくりと鍵盤の上に突っ伏す。
瞼を閉じれば、泣き疲れたからか、眠気が襲ってきた。
今日、吹奏楽部はグラウンドでマーチング練習をしてる。
ここで寝てしまっても、迷惑はかけないから……。
……少しだけ、眠ってしまおう。
睡魔に導かれるまま、私は静かに眠りの淵へと落ちていった。


