この恋が罪だとしても



***


放課後、音楽室にやってきた私は、怪我をしていない方の右手でピアノの鍵盤に触れた。

――ポロン……ポロン……。

その優しい旋律に、私は泣きたくなる。


北園さんの記憶が戻ったのに、泉くんと北園さんはバラバラになってしまった。


私を好きになってくれた八雲にも、私に忘れられない人がいる限り、応えられない。


「私は、誰かを傷つけることしか出来ない……っ」


誰もが幸せになれる方法なんて、無いのかもしれない。

私がした選択で、絶対に誰かは傷つく。

それでも、譲りたくない想いって、何だろう。


「八雲……」


八雲といれば、想われる幸せを知ることが出来る。

八雲を好きになれたら、どんなに良かっただろう。

私が弱っている時、必ず傍にいてくれる……優しい人。