八雲、一体何考えてるの……? 「ハイハーイ、これ以上は俺を通してもらわないとね。梓姫のナイトですから」 そう言って、八雲は私の腕を掴む泉くんの手を引き剥がすと、教室の入口へと向かった。 「白石……俺は、雨音と話がっ」 「ハーイ、まったねー☆」 泉くんの話を遮って、八雲はヒラヒラと手を振る。 そして、私はやっと教室を出ることが出来たのだった。 *** 音楽室にやってくると、私はどっと疲れが襲ってきてわピアノの椅子に腰掛けた。 そんな私の足元に八雲が座る。 これが、私達の定位置だった。