「あのね、晴くん。私……晴くんに話さなきゃいけないことがあるの」
その声は、カーテンの外から聞こえる。
どうやら、北園さんと泉くんがそこにいるみたいだった。
「晴くんって……お前、記憶が無くなってから、俺のこと晴希くんって呼んでたろ?まさか記憶が……」
「……うん、今まで本当に……ごめんね」
北園さん……そっか、やっと全て思い出したんだね。
これで2人は元通りになれる。
これで……良かったんだ、初めから私の入る場所なんてなかった。
これで2人は幸せになれる……。
そう思うのに……。
――ズキンッ。
「っ……」
なのに、どうしてこんなに胸が痛いんだろう。


