【梓side】


「雨音さん、放課後……話があるの」

「え……?」


翌日、登校してきた私が自分の席でぼんやりと窓の外を見ていると、北園さんがそう声をかけてきた。


その顔は、どこか追い詰められているように暗くて、心臓がバクバクと鳴り始める。

変な胸騒ぎがしていた。



まさか、何かを思い出したのかな……。

それが……すごく怖い。

自分の罪と向き合うみたいで、カタカタと体が震えた。


「分かった……放課後ね」

「うん、ありがとう雨音さん。それから……ごめんね」

「え……?」


………どうして、ごめんね……?

北園さん……?


悲しそうに笑って、北園さんが自分の席に戻って行く。

それを見送りながら、私はそっと騒ぐ胸をおさえたのだった。