「やめてっ、離してっ」
泉くんには、北園さんがいるのにっ。
私は、もう泉くんも北園さんのことも、傷つけたくない!!
ジタバタと暴れて、その腕から逃げ出そうともがく。
「無理だ、そんな顔させといて、ほっとけねーんだよっ」
「っ……ずるいよっ」
泉くんに、そんな風に強く抱きしめられたら……。
私は、ふりほどけないんだよっ。
「あぁ、ずるいよな……ごめん、雨音」
「っ、ごめんなんていいっ、お願い離してっ」
さよならって言うのが、どれほど勇気のいる事だったか、泉くんには分からない。
なのに、これじゃあ……。
私の努力が、水の泡になっちゃう。


