「俺らは頼まれただけだってっ」 「……なら、わざとって事だな。今すぐ歯ぁ食いしばれよ」 「な、なんでお前そいつを庇うんだよっ、イジメられたって仕方ねーヤツじゃん!」 拳を握る泉くんに、男子たちは怯えながらそう、言った。 ――ズキンッ。 イジメられたって仕方ない……正論だ。 私がしてきたことに比べれば、イジメなんて軽い。 「その通り……だよね」 「雨音、お前何言ってんだよ」 泉くんの腕の中でそう呟けば、泉くんは怒ったように私を見下ろした。