「巻き込まれたつもりはねーから、それよりここから早く出ねーと……」
「ここ、小窓も高いところにあるし、出るのは難しいと思う。それにこんな倉庫に人なんて来ないだろうし……」
――ズキズキッ。
やばい……本格的に手首が痛くなってきた。
さっき捻った左手首は、赤く腫れてきてしまっている。
それを手でおさえながら、私は泉くんに返事を返した。
「クソッ、油断してたわ……」
泉くんはガシガシと頭を掻きながら、私の隣に腰掛ける。
「たぶん……大丈夫。八雲が助けに来てくれると……思うから」
痛みに変な汗が出た。
小さく息を吐いて、なんとか痛みに耐える。


