「俺達は、別にそんなことして欲しくなんかねーよ。いいから、さっさとやめろ」
「……なにそれ、泉くんまじつまんなぁい。行こ、みんな」
そう言ってゾロゾロとみんなが体育倉庫を出ていく。
それを見届ける前に、泉くんが私に向き直った。
「雨音、大丈夫か……?」
「っ……さ、触らないでっ」
伸ばされた泉くんの手に、体が震える。
すると、怯えた私を見て、泉くんは伸ばした手をゆっくりと下ろした。
「悪い……」
「ごめん、助けてくれたのに……」
私、酷い態度だよね……。
だけど、今は泉くんにも、他の誰にも触れられたくない。


