「どうして……」
どうして、ここにいるの?
なんで私のこと、庇ったりしたの……?
目の前に立っているのは……まぎれもない、泉くんだった。
驚きで、私は目の前に立つ泉くんの背中から目が離せない。
「やめろ、やりすぎだろ」
私の方は振り返らず、泉くんは女子達にそう言った。
「な、なんでよ泉くん。こんなの、いつものことじゃない!」
「そうだよ、泉くんと雪乃のためにやってるのに!」
そうだよ……。
私がバケツで水をかけられようが、泉くんは見て見ぬフリをしてた……。
なのに、どうしてこんな時に助けてくれるの?
急に優しくされると……どうしていいのか分からなくなる。
また突き放されたらって、怖くなるんだ……。


