「こういう可愛いキーホルダーとか、晴くんに似合わなすぎて、ちょっとガッカリしたんだよね」
「でも、それは泉くんが北園さんのために選んだんじゃ……」
「私、ペンダントとか、時計とかそういう品のあるが好きだもん。だから……」
そう言って、北園さんはペンダントを持った手を、大きく振り上げた。
え、何するつもり……?
まさか、キーホルダー放り投げる気なんじゃっ!!
「これは、もういーらないっ!!」
「あっ……ダメ!!」
――ドンッ!!
無我夢中に走ったせいで、北園さんに体当たりをしてしまう。
それに構うこともせず、私は宙に浮いたキーホルダーを必死に掴んだ。
……良かった、これは大事なもののはずだから……。
泉くんの心を守れた気がして、私が安堵した時だった。


