「目の届かない所で、泣かれるのは癪なわけ」
「な、なにそれ……」
八雲が私を助けてくれる理由は、毎度意味がわからない。
というか、ふざけた理由すぎて、どれが本心なのか、分からないんだ。
「俺、気に入ったモノを勝手に傷つけられるの、苛つくんだよね♪」
「八雲……笑顔、怖いから……」
言葉と表情はせめて合わせてほしい。
だけど……八雲といると安心する。
だから私は、面倒だと思いながらも、八雲と一緒にいるのかもしれない。
そんなことを考えている私は、知りもしなかった。
「雨音……」
切なそうに私を見つめる、泉くんの視線に。


