「最低……ひどすぎるよ、北園さん……」
「なぁに、傷ついちゃったの〜?」
北園さんの言葉の一つ一つに胸が痛む。
そして、フツフツと怒りが湧き上がった。
「私じゃなくて、泉くんの気持ちはどうなるの?」
泉くんは、真剣に北園さんが好きなのに……。
それが、私への当てつけだなんて、許せない。
「晴くんが勝手に私を好きになったの。晴くんの気持ちなんてどうでもいいし。あぁ、そうそう」
そう言って北園さんは鞄を漁ると、手のひらサイズのテディベアのストラップを取り出す。
「それは……?」
「これねぇ、晴くんがくれたんだけどぉ……」
北園さんは、人差し指と親指で摘むようにテディベアを持つ。


