「北園さんの記憶が戻れば……全てが元通りになる」
「え……?」
北園さんが、私を見上げて目を見開いた。
それに、私は苦笑いを浮かべる。
「きっと、それが一番なんだよ……」
歪んでしまったものは、元の直線に。
失ってしまったピースは元の位置に。
それで、ようやく止まったままの時間は動き出せるんだから。
「だけど……雨音さんは、あまり嬉しそうじゃないね?」
「えっ……」
「どうして、そんな悲しい顔するの。私が、雨音さんにそうさせてるのかな……」
私は、北園さんの前で悲しい顔をしてるの?
自分では分からないけど、北園さんがそう言うのなら、そうなんだろう。


