「えと、雨音さんの前で転ぶの何回目かな、本当にごめんね」
「北園さん……そういえば、昨日は大丈夫だった?」
保健室に運ばれて、そのまま北園さんは帰って来なかった。
あの頭痛が、記憶が戻ろうとして起こるものなら、私のせいだ。
本当に……どう償えばいいのか、分からなくて苦しくなる。
「うん、すぐに落ち着いて……あれ?」
「北園さん、どうしたの?」
そう言いかけた北園さんが、不自然に言葉をとめた。
すると、私のカバンについているテディベアーを見ていることに気づく。
「あ、これは……」
「これ、私見たことがある……でも、どこでだろう」
北園さんは魅入られたようにそのテディベアーを凝視していた。


