【梓side】


「おっはよー、梓」

「あ……八雲か」

「なにそれ、梓ってば俺の扱い酷くない?」


翌日、音楽室でピアノを弾いていた私のところへ、八雲がやってきた。

ピアノを弾くのを止めれば、八雲は私の足元にあぐらをかいて座る。


「なんか良いことあったー?」

「え、なんで?」


私の座る椅子に寄りかかりながら、八雲は私を見上げてきた。


良いこと……それは、昨日泉くんとコンビニで会えたこと。

そして、普通に話せたことだ。

でも、どうして八雲に分かっちゃったんだろう。