「本当に、嬉しい……」

「お前……いや、それなら良かった……」


あ……ちゃんと笑ったの初めて見たな。

それに、気を取られて、自分が何を言ったのか分からなくなる。


「それじゃあ……」

「おう……」


入口に向かいながら、イチゴミルクキャンディーを胸に抱きしめる雨音に、胸が切なく鳴る。


なんだ、この胸の違和感。

もう少しだけ、雨音のことを知りたい……。


「雨音」


そんな気持ちが膨れ上がって、とっさにコンビニを出ようとした雨音を引き止めた。


あ、俺なんで雨音のこと引き止めた?

ただ、もう少し話してたい……そう思ってしまった。