「泉、レジに客いるぞ!」
「あ……すんません」
ボーッとしていたせいで、店長に注意される。
やべーな、やっちまった……。
俺、どんだけアイツのこと考えてんだよ。
「お次のお客様どうぞー」
俺は慌ててレジを打ってぼんやりする頭を切り替えた。
なのに、どういう巡り合わせか……。
「あ、はい……っえ?」
レジに商品を置いた客を見て、俺は頭がフリーズする。
なんで、こんなところにコイツがいるんだよ……?
しかも、この絶妙なタイミングで。
「え、お前っ……」
「泉くん!?」
心の準備が出来てなかった俺は、必至に話題を探した。
「家、この辺なのか?」
そして思いついたのは、当たり障りのない話題。
俺、コイツとまともに話したことなかったんだな。
隣の席だっていうのに……。


