泉くんにもらったイチゴミルクキャンディーの袋を開けて、私は一つだけ口に入れる。
――カランッ。
口の中に広がる甘いストロベリーの味。
ミルクは優しく私を包み込むように、優しい味がした。
「うん、いつもよりずっと甘いや……」
また明日ね、泉くん。
泉くんと会えるのが楽しみだなんて……本当ならそんなこと思っちゃ駄目だって分かってる。
だけど、この気持ちは決して言葉にしないから……。
せめて、心の中では言わせて欲しい。
泉くんに早く、会いたいよ……。
少し……ほんの少しだけ、心の中で降る雨音が、優しくなった気がした。


