「あ、いや……また明日、学校で」
「っ……うん、また明日」
こんなに、優しくされてしまって……いいのかな?
泉くんからかけられる言葉に、一気に涙腺が緩んだ。
泣き笑いみたいに笑えば、泉くんは目を見張る。
「雨音、お前泣いて……」
「またね、泉くん」
私はそれを隠すように前に向き直って、コンビニを出る。
その瞬間に、耐えきれずに涙が零れた。
「あぁ、嬉しい……っ」
抱き締めたイチゴミルクキャンディーを胸に、ハラハラと涙が零れる。
沈んでいく夕日をこんなに綺麗だと思ったのは、初めてだ。
きっと、人は嬉しいことがあった時、世界が美しく見えるんだね。


