「家、この辺なのか?」 「あ、うん……ここから、5分くらい」 あれ……今、普通に会話が出来てる……? だとしたら、泉くんが普通に接してくれてるからだ。 「そうか、これ……」 「あ……えと、私の大好物なんだ」 私の買ったイチゴミルクキャンディーを手に持つ泉くんに、そう説明した。 って……私の大好物なんて、別に知りたくもないよね。 「そっか……なら、これは俺が買う」 「……え、ど、どうして?」 突然そう言って泉くんは、ズボンのポケットから長財布を取り出すと、代金を支払ってしまった。