この恋が罪だとしても




***


放課後、私は楽譜を手に音楽室へと向かう。


私は必ず帰る前にピアノを弾いてから帰っていて、これも、毎日欠かさずしていた日課だった。


「雨音さん」


階段を上がって、踊り場にたどり着いた時だった。

3年生の教室がある2階から上がってきた北園さんが私に声をかけてくる。


「北園さん……」


何だろう、怖いな。

どうせ、ろくな事じゃない。

私から北園さんに関わることは避けてるんだけど、なんせあっちから突っかかってくる。


本当に、迷惑な話だ……。

私は完全に身構えながら、踊り場で北園さんと向き合った。