「・・・・・・暑い!!!!」

そこまで広くもない真夏の体育館の中、長いことで有名な校長の話にみんながぐったりしてる頃。

「沙羅チャン声デカい☆」

「声デカいって・・・こんなざわめきの中じゃぁ何もなんないでしょう。。。。」


騒ぎたい盛りの高校生には長話の間もずっとケータイor世間話。
ド真面目なヲタ男以外はみんなそんな感じ。
教師も、暑さにうんざりみたいで、誰も止めようともしていない

「だからって、話をして良い理由にはならないでしょ~?」

そう、この人以外は、

「じゃぁ、さっさと校長先生のお話を終わらせてもらえませんか??神谷先生??」
「ボクは平社員ですから、校長先生に何か言ったらどこかに飛ばされちゃいます」

この飄々とした、超イケメン(桔梗チャン談)神谷刹那先生。
ウチの担任で学校一の人気者、


ちなみに私はこの人大キライ!!!!
何このとってつけたような笑顔!!
気持ち悪い!!
百歩譲ってイケメンだとしてもこの笑顔!!ムカつく!!
それにみんな『やさしぃ~』 とか言ってるけど、絶対バカにしてるもん!!
何て言うか・・・そぉ・・・例えれば捨て猫を哀れむ感じ??簡単に言うと、上から見てるんだよ!!!

と言うわけで、私はいつも適当に返事をしている。

「そうですか、私には関係ないですね」

「冷たいですね~。沙羅さん」

そう言った神谷先生の言葉を無視して私はケータイをいじる。



ピーーーイピーーーーイピーーーーーーーー

「ん??」

かわいげのない、携帯の受信音。
私のだ。

                                      
From   息吹                             
Dear   沙羅                             
Subject  無題                            


ふと開けてみると、もう見慣れた息吹の文字。

アイツ・・・・・・
なにやってんだか。