大ちゃんの家の前に到着。
「遅いし、見舞い終わるまでここで待っててやるよ」
「プッ…鷹哉が優しいなんて気持ち悪いねッ」
「うっせ…さっさと行けよ」
大ちゃんのお家のインターホンを鳴らそうとすると後ろから誰かに声を掛けられた。
「あの……うちに用ですか?」
振り返ると、近くの中学の制服を着た少し大ちゃんと似ている中学生が立っていた。
大ちゃんの弟さんかな?
「あの…大ちゃ…じゃなかった。大悟君のお見舞いに来ました」
「……?」
「大悟君、早退したから…」
「……兄と友達だった方ですか?」
「え?友達だった…?」
「ちょっと親に聞いて来るので、待っててください」
その子は門を開けて、庭の奥にある家に走って入って行った。
「おい、どういう事だ?なんか変じゃなかったか?」
「うん…」
しばらくすると、中から大ちゃんのお父さんらしき人が出てきた。
「これはこれは…まさか大悟の友達が来てくれるなんて…どうぞ中へ」
「いや、俺は…」
鷹哉は一歩下がって、手を振った。
「そう言わずに。二人もお友達が来てくれたなんて…大悟も喜びます」
あんまり具合良くなさそうだったら様子だけ聞いたら帰ろうと思ったんだけどな…
おじさんに言われて、お邪魔する事になった。
「…大悟とはどこでお友達に?」
「あ!すいません!自己紹介遅れて…大悟君と同じクラスの木下小鳥です」
「同じクラスの矢嶋鷹哉です…」
「あぁ…同じクラスだったのか。ほとんど学校には行けなかったけど…ちゃんとお友達作っていたんですね…」
「え…?大悟君毎日学校来てます…今日は大悟君早退したのでお見舞いに…」
「は………?いや…そんなわけ……だって…大悟は10年前にもう…」
おじさんの目線の先には仏壇があった。
そして…そこの写真に写っていたのは…