私はパジャマを急いで直して、鷹哉を追い掛けた。
バタンッ!
しかし、鷹哉の速さに追い付くわけがなく、玄関の扉は閉まった。
「あれ…鷹哉もう帰ったの?また喧嘩?」
お兄ちゃんがリビングから出てきた。
「お兄ちゃ……ふあぁ…も……わかんない…」
何かを察してくれたお兄ちゃんは黙って私の頭を胸に押し当てて、頭をポンポンと撫でてくれる…。
私はお兄ちゃんの胸で泣きはらした。
「……ヒックッ」
「落ち着いた?」
「…ん…ごめんね…ふグッ…」
「家族なんだから思いっきり甘えなよ」
「……お兄ちゃん…ヒック……鷹哉は…私の事好きなの……かな?」
「……それは…ちゃんと小鳥の気持ちの整理が出来たら鷹哉に直接聞いてごらん」
「………うん」
気持ちの整理…
本当の事を言うと中学生の頃、鷹哉の事を好きだった時があった。
でも…すぐ意地悪してくるし、からかってくるし、鷹哉が私の事を好きになってくれるなんてないと思ってしまって…鷹哉の事はとっくに諦めていた。
中学時代。
パパが事故で死んじゃった時。
私の前で絶対に泣かなかったお兄ちゃんがお葬式の時トイレに行くふりをして自分の部屋で声を殺して泣いていたのを鷹哉と見つけてしまい、お兄ちゃんが戻って来るまで私に寄り添ってくれた。
鷹哉が私の事を好きかもしれないなんて今まで近くに居すぎて思った事なくて…
でも…鷹哉は大切な人だから…鷹哉の気持ちとちゃんと向き合おう。
ちゃんと向き合ってからしっかり自分の答えを出そう。



