黒い怪物くん




俺の電話で何かを察した治樹は、わざわざデートを切り上げてくれたみたいで、思ったより早く来てくれた。


「…何かあった?」

「……俺…小鳥と二人にならない方がいい……俺…最低な事した…」

「あんまり深く聞かないけど…そのした事って小鳥はわかってるの?」

「いや…寝てたから…小鳥になんて言えばいいんだよ……絶対嫌われる…」

「小鳥に告白しないなら言わないでおこう。俺も絶対言わないから…小鳥の前で今まで通りに出来る?」

「……」

「……今まで通りな?わかった?」


俺は治樹に言われて何とか頷いた。

俺が頷いたのを見た治樹は、リビングに入って小鳥を起こした。


「小鳥…帰るよ?」

「Zzz……ンー…」

「ほら、コート着て」


まだポケーっとした小鳥は治樹にコートを着させられて、ソファーを立たせられる。

玄関で靴を履くくらいになると、ようやく目が覚めたようだ。


「あ…鷹哉ぁ…一緒にご飯食べてくれてありがとねー…楽しかったぁ」

「あー………うん…」

「じゃあ…またな」

「おじゃましましたー」



俺は最後まで小鳥の事を見ることが出来なかった。