「君どうしたのー?花緒擦れしちゃった?」
急に声を掛けて来たのは大学生?くらいの男の人二人組。
「え…?花緒擦れ?」
「靴じゃないから靴擦れじゃないでしょ?」
「あ、そっかぁ」
「君可愛いね…絆創膏貼ってあげるからさ、俺達とお祭り回らない?」
「あ…の……友達と来てるので…」
こんな風に男の人に声を掛けられるなんて初めてで…どう対応していいかわからない。
「じゃあ、その友達も一緒にどう?」
「へ!?それは…その…」
うぅー…
「とりあえずあっちにベンチあるからあっちに移動しない?ベンチで絆創膏貼ってあげるよ」
その人が指を指す方は人気が少なくて、真っ暗だった。
「だ、大丈夫です!友達のところ行かなくちゃ…」
なんだか怖くて、足は痛いけど下駄を履いてその場から離れようとした。
しかし、腕を掴まれてグイグイ引っ張られる。
「後で友達も来てもらえばいいじゃん」
「俺達と遊んだら絶対楽しいからさ!」
「楽しくねぇよ…離せ」
あ…鷹哉だ…
「……あれぇ?なんか俺達無理矢理この子の事連れて行こうとしてるように見えちゃった?」
「俺達この子の連れだからさ」
「あ?そいつの連れ俺なんだけど」
鷹哉はそう言って、二人を睨んだ。
「チッ…友達って男かよ」
二人はそう言ってさっさと行ってしまった。
「鷹哉ぁ…痛ッ…」
「大丈夫か?靴擦れ?そこ座れ」
再び石段に座ると、鷹哉は私にリンゴ飴を差し出した。
「…リンゴ飴?」
「……好きだろ?……ちょっとはぐれたふりしてからかってやろうと思ったのに、マジではぐれてんじゃねぇよ」
「むぅ…鷹哉がどんどん行っちゃうのがいけないんだよ!」
「わかってるよ…ごめん…からかい過ぎた」
鷹哉は私の下駄を脱がせて、お兄ちゃんが用意してくれた袋からサンダルと絆創膏を取り出した。
「絆創膏も入ってたんだぁ」
「万能袋だからな…さすが治樹だよ」
「洋服以外に他にも入ってるの?」
「は、入ってねぇよ!」
鷹哉は袋をバッと自分の後ろに隠してしまった。
そして、黙って絆創膏を貼ってくれた。



