「……はい。出来たよ」

「わぁぁ!ありがとう!」



今日は鷹哉と夏祭りデート。




鷹哉と先週から付き合い始めて、付き合ってから初めてのデート。



浴衣を着て、お兄ちゃんに浴衣に合う髪型にしてもらって準備万端。


「今年もみんなで行きたかったなぁ…」


毎年夏祭りは鷹哉とお兄ちゃんとクラスで仲の良い人達でわいわい行くのが定番だった。


今年はお兄ちゃんも彼女と行くって言ってたもんなぁ。


「鷹哉と付き合ってるんだし、恋人同士っぽい事してきなよ」

「鷹哉すぐ茶化すから恋人らしい事なんてしないよー」


お兄ちゃんと話していると鷹哉が家にやってきたので、私は浴衣の柄とお揃いの巾着を持って玄関に向かった。


「あ、鷹哉。これ持ってやって」


お兄ちゃんが鷹哉に布の袋を渡した。


「なんだこれ?」

「小鳥のTシャツとスカートとサンダル。毎年、帯苦しいって言ったり、靴擦れするからさ」

「えー!お兄ちゃん用意してくれたの?」

「過保護過ぎだろ!自分で用意させろよ!」

「俺の妹だからね。大事にしてるから…まぁ、鷹哉もだいぶ大事にしてくれてるけどな」



お兄ちゃんはそう言ってにっこり笑った。



「大事にー?相変わらず意地悪ばっかするのに?」

「……小鳥、行くぞ」



鷹哉に腕を掴まれて家を出た。