部室を開けると、中から風がフワッと吹いた。
誰が窓開けたんだろ…。
扉を閉めて、部室に入ると、窓の枠になんと烏山君が座っている事に気が付いた。
大きな身体に黒い学ラン…一瞬カラスかと思ってしまって固まる。
ただ全体的に黒いだけで、顔がカラスに似てるとかそういうわけでは全くないのに…どうしてそう思ってしまうんだろう?
「……手芸部これから?」
「…………あ!………うん…えっと…どうしたの?」
烏山君は窓枠から飛び降りて私の前にやってきた。
「手芸部……入部したいんだけど…」
「え?……烏山君が?」
「うん……」
「えーーーっと!今部員募集してないしー…顧問の先生も駄目って言うかもしれない…し」
少し話してみたいかもとは思ったけど、決してお近付きになりたいわけではない。
適当な事を言っていると、烏山君は壁に校内の掲示板に貼ってあったチラシを持っていてそれを私に見せた。
“部員大募集中!!手芸初心者でも大歓迎!!興味がある人は2年A組木下小鳥まで”
私の馬鹿ぁぁ!
烏山君が怖いから駄目なんて…言えないよ…
「………ジャンケン」
「へ?」
「…ジャンケンで負けたら諦める」
「ジャンケン駄目!私…弱いもん…」
「じゃあ…俺が勝ったら諦める」
「それだったらいいよ!ジャンケンッ…ポンッ!」
私がパーで烏山君がグー。
目を疑った…ジャンケンで勝ったの生まれて初めて………
「勝った……勝ったーー!ジャンケンで勝つの初めてなの!」
「……よかったな…俺も良かった」
「……へ?俺も?……アァァァ!」
そうだ…私が勝ったら手芸部に入れる約束だった…。
初めてジャンケンに勝ったから一瞬でその事忘れてた。
「あの!男子が手芸部入っても……面白くないと思うんだけど………なぁ」
うぅ……やっぱり…烏山君には何となく最初のカラスの印象があって…怖い…。
完全に偏見だけど、こんな事感じた事はないんだけどな…。
「……新入部員だし、雑用でもなんでもやるよ」
何でわざわざ手芸部に…背高いし、筋肉も良い感じついてるんだからバスケ部とか運動部入ればいいのに…。



