「ハァハァ…待ってよッ!」
「おっせ!っつーか…男同士でしか案内出来ないところとかあるんだから来るなよ」
「そんなのトイレと更衣室以外ないじゃん!」
「あぁ。ガキの焼き鳥にはわかんないだろうな?特別に教えてやるよ…女連れ込むのに良い場所とか。まぁ、お前の兄ちゃんの方が詳しいかもしれないけどな」
「連れッ!?転校生に変な事教えないでよ!連れ込む人なんていないくせに!もう!鷹哉は変な事しか教えないから私が案内する…」
烏山君をパッと見ると朝のイメージからだろうか…一瞬ビクリッとしてしまった。
「…ありがとう」
「い…いえ…」
カラスみたいな印象…だなんて失礼だよね…。
烏山君が悪いわけではないけど、私は烏山君から距離を取って歩いていた。
「あ、女連れ込む良い場所!ここいいぞ、放課後は鈍くさいのが一人いるだけだし」
鷹哉は元物置として使っていた小さい教室を開けながらそう言った。
「そこは駄目!手芸部の部室で、連れ込む所じゃないもん」
そこは部員は私だけしかいない手芸部の部室。
特に案内する予定じゃなかったのに!
「…手芸部?」
「そうそう、こいつしか部員いねぇのに何故か潰れない幻の部活!」
「ちゃんとした部活です!」
「いい加減家庭部と統合しろよ?先生からも言われてんだろ」
「やだ!家庭部ほとんどお菓子作りとかしかしないもん!私は手芸しかやりたくないの!」
「本当気強い女だな…。お菓子作りもやればいいだろ?モテないのわかるわ」
「もう!本当にどっか行って?邪魔!」
いつもムカつくけど、今日は特にヒドい!
学校案内は大事な所は鷹哉が教えちゃって、私の活躍は全くなし。
烏山君ともほとんど話せなかったなぁ…。
ちょっと怖いけど、話してみたかったのに。



