「あー。もう男には幻滅だわ……や、やれ、やれるなら誰でもいいのかよっ!!」
「まぁまぁ、鼻息荒いわよ?」
「うるふぁい!」
「うわ、きったな……」
お昼ご飯のとりそぼろ丼を口に含みながら私は猛烈に怒っていた。
「内田慎也め……。あいつだけは絶対に私の処女の座をあげないからな……!」
「ぷっ、なにそれ」
「とりあえず、合コン行きたい!!」
「切り替え早っ!?」
ガヤガヤと恋バナ(?)をしている私たちに
「おーい。中谷!お客さーん」
ん?
うげっ!?
「……紀伊ちゃん……隠れて……」
「え?何?聞こえない……」
「隠れないで出てきてよ。小夜ちゃーん」
見つかった。
この声はもうわかる。
今私が2度と会いたくなかった人。
そして、気持ちが揺れてしまいそうになる……
あの目に見つめられると……
逃げられない。
