長い、長い痺れるようなキスの後。
ふわりと身体が抱き上げられた。
足が地面から離れ、私は余計に不安になる。
もう、二度とこの暗闇から出られないような錯覚に心がとらわれてしまう。
「キョウ、キョウっ」
うわごとのように彼の名前を呼んだ。
今、私の中で確かなものは彼の呼吸と抱きしめられている感覚のみ。
それすらも、暗がりの中では薄れていく。
このまま、壊れてしまいそう。
どうにか、なってしまいそう。
殴られたり、叩かれたり、罵られたりしたほうがまだましだとさえ思えた。
一人、宇宙の真ん中に置き去りにされたような、半端ない不安が私を襲う。
お仕置きと称して、押入れに閉じ込められた子供とはレベルが違う。
重たい空気。
見たこともないほど、全てを闇で塗りつぶしたような暗闇。
方向感覚すらなくなって、私は自分がここに存在していることすらも、怪しんでしまっていた。
両目からは、とめどもなく涙が溢れてとまらない。
「お願い。
ねぇ、許してっ」
何を怒っているのか良くは知らないけれども。
「お願い、良い子になるから。
明るくしてっ
ねぇ、お願いっ」
気づいたら、わぁわぁと、小さな子供よろしく泣き喚いていた。
「二度と俺を裏切らない?」
低く通る声が、耳の傍で聞こえた。
それだけが、まるで地獄で見つけたという細い蜘蛛の糸のように放してはいけない大事なものに思えた。
こくり、こくり、と、何度も深く頷く。
このままでは心が凍ってちぎれてばらばらになって、二度とは人に戻れない気がする。
「次に俺を怒らせたら、容赦しないよ?」
骨ばった手が、私の頬に触れる。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
私は、熱にうなされたみたいに、ひたすら謝っていた。
自分の声じゃないみたい。
発した瞬間、言葉すらも暗闇にもぎ取られて引き裂かれていくようで。
ひたすらに心細かった。
いっそう、一思いに殺して欲しい、とまで思う。
ふわりと身体が抱き上げられた。
足が地面から離れ、私は余計に不安になる。
もう、二度とこの暗闇から出られないような錯覚に心がとらわれてしまう。
「キョウ、キョウっ」
うわごとのように彼の名前を呼んだ。
今、私の中で確かなものは彼の呼吸と抱きしめられている感覚のみ。
それすらも、暗がりの中では薄れていく。
このまま、壊れてしまいそう。
どうにか、なってしまいそう。
殴られたり、叩かれたり、罵られたりしたほうがまだましだとさえ思えた。
一人、宇宙の真ん中に置き去りにされたような、半端ない不安が私を襲う。
お仕置きと称して、押入れに閉じ込められた子供とはレベルが違う。
重たい空気。
見たこともないほど、全てを闇で塗りつぶしたような暗闇。
方向感覚すらなくなって、私は自分がここに存在していることすらも、怪しんでしまっていた。
両目からは、とめどもなく涙が溢れてとまらない。
「お願い。
ねぇ、許してっ」
何を怒っているのか良くは知らないけれども。
「お願い、良い子になるから。
明るくしてっ
ねぇ、お願いっ」
気づいたら、わぁわぁと、小さな子供よろしく泣き喚いていた。
「二度と俺を裏切らない?」
低く通る声が、耳の傍で聞こえた。
それだけが、まるで地獄で見つけたという細い蜘蛛の糸のように放してはいけない大事なものに思えた。
こくり、こくり、と、何度も深く頷く。
このままでは心が凍ってちぎれてばらばらになって、二度とは人に戻れない気がする。
「次に俺を怒らせたら、容赦しないよ?」
骨ばった手が、私の頬に触れる。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
私は、熱にうなされたみたいに、ひたすら謝っていた。
自分の声じゃないみたい。
発した瞬間、言葉すらも暗闇にもぎ取られて引き裂かれていくようで。
ひたすらに心細かった。
いっそう、一思いに殺して欲しい、とまで思う。


