恋人は魔王様

「いつ?」

「先週」

「どうして?」

……ってねぇ。
どうして私が失恋話を友達に打ち明けるみたいな感じになってんの?

私を振ったのはアンタでしょうが!!

「だって、ママにメール送ったじゃない。
私と別れるって」

「いや」

悪魔は、真顔で嘘が吐ける。
騙されないもんっ

「……この、うそつきー!!」

腹立ち紛れに、キョウの胸を殴る。
彼は私に殴られるままにしていた、が。
私が力尽きるとふわりと抱き上げてくれた。

……いやいやいや。
学校近くの路上で堂々とお姫様抱っこするのは、ちょっと……

「おろしてよ、おろしてってばっ」

「ユリア、そんなに騒ぐと皆が見るよ?
あ、露出も好きなの?
俺にはそんな趣味ないんだけど……ユリアが好きなら仕方がないか。
じゃあ、もっと素敵なカッコウして街を歩いてみようか?下着も俺が選んであ・げ・る☆」

……なんなんですか、その妄想。

「ちーがーいーまーすっ」

「相変わらず照れ屋なんだから」

私の叫び空しく、近くに待機していたジュノが運転する黒のリムジンへと載せられる。
もちろん、私をキョウの膝に乗せたまま車は進む。