恋人は魔王様

「だいたいあれだよ、そんな怖い顔していると眉間の皺消えなくなっちゃうよ」

ジュノが私を諭すように、柔らかく囁く。
これではまるで、一方的に怒っている彼女とそれを宥めようとしている彼氏じゃない!!

私はなんとか自分の心を落ち着けると、諦めて隣を歩くことにした。

本日の教訓
『悪魔は思い込みが激しい しかも 諦めが悪い』

なんだかなぁ。
あまり役に立ちそうに無い教訓に、私はため息をつくほか無かった。

それにしても、これってママに似てない?

思い込みが激しくて諦めが悪いのって、人間も悪魔も一緒なのかしら。



なんて、頭の中で思考の海にどっぷりと溺れている間に、私たちは桧垣家の前まで来ていた。

「あのさー、どうやって桧垣家の場所調べたの?」

私はとりあえず聞いてみる。
どうせあれでしょ、透視とか?

けろりと、ジュノが答える。

「あ、昨日弟に尋問たんだ。
弟と兄って基本同じ家に住んでいるよね?」

ええ、まぁ仰るとおりですわ。


聞いても聞かなくても、どっちでも良かった気がして、既にこの時点で私はなんだかとっても疲れきっていたのだった。