恋人は魔王様

そんな私の心の嘆きになどもちろん気づかない探偵殿は、華麗なる足取りで現場へと向かう。

っていうか、屋上には鍵がかかっている上に、警察のテープもはってあるのだけれど全てを無視して進んでいく。

ジュノが手を翳しただけで、かちり、と、気味が悪いほど素直に屋上の鍵が外れたことは、即座に私の記憶から抹消した。

「ねぇ、警察に見つかったらやばくない?」

私は全うな意見を述べてみる。

「別に☆
変なところ神経質なんだから。
ユリア様ってA型?」

……悪魔様には紅い血液、流れてんの?

と、問い返したかったけれど、返事を聞く勇気が無かったので止めておいた。

でも、屋上はみるからにただの屋上でしかなく、私たち素人には何も見えない。



と、私は思っていた。

「ふぅん。
自ら飛び降りたんだ。背中を押された形跡は無し、と」

と、ジュノが呟くまでは。