恋人は魔王様

「ど、何処に行くの?」

さっきの暗がりにこりた私は、警戒した声を出す。

「もちろん、言い訳するには証拠が必要でしょう?
証拠♪」

スキップでもしそうなくらい軽く言うと、キョウは楽しそうに私の手を引いて、螺旋階段を下りていく。
暗がりには、私たちが足を運ぶたびに、そこだけ小さなろうそくが揺れては消える。

つまり、全体的にはやはり、息を呑むほどに暗い場所なのだ。
そこは。

「うぉおおおおおっ」

遠くから、獣の吼えるような声が聞こえた。

「何、あれ?」

私が眉をひそめると、キョウは私を振り向いて綺麗な顔で甘く笑った。

「発狂しそうな人間☆」

動物園で初めてパンダを見た人のようにはしゃいだ声で説明するのはやめていただきたい。