「ゆ、優人」 「汐莉、ベッドで寝てろ、な?」 無意識に優人のいるキッチンに行った。 私が来たのに気づいた優人は部屋に戻るように促したけど。 「やだ」 と、わがままを言ってしまう。 「熱あるんだろ。無理しちゃダメ」 そうだけど...。 ゴホッゴホッ。 「ほら咳も。な、俺も行くから戻ろう」 「1人にしないで...」 思わず優人に抱きついてしまった。 そんな私を優人は突き放すことなく、優しく抱き締め返してくれた。 「大丈夫。一人にしないから」