ただ胸きゅんしたい短編 幼なじみ編


ヨロヨロと歩き出そうとした私を止めた優人。


私をひょいとお姫様抱っこした。


いくら熱があるとはいえ、お姫様抱っこをされていることは理解できる。


「ゆっ優人」


びっくりした私はさっきよりも意識を取り戻した。


「汐莉暴れないの。落とすだろ」


落とされるのは困るのでじっとしたけど、恥ずかしくて顔が火照る。


「汐莉顔赤いな。まだ、熱下がってないの?」


たぶん今赤いのは優人のせいだよ...。


「分かんない...」


私の部屋につくと、優しくベッドに下ろした。


「なんか食べる?」


私が頷くと、


「キッチン借りるな」


そう言って優人は部屋を出てしまった。


すると無性に寂しくなってしまう。


ベッドに寝っ転がった私だけど、優人に会いたくなって、帰っちゃったかもしれないと思って。