ただ胸きゅんしたい短編 幼なじみ編


〈汐莉side〉

次に目が覚めたのは4:00をまわった頃。


相変わらず体はだるくて咳はひどい。


その時、ピーンポーン。


家の玄関のチャイムが鳴った。


誰だろう?


ヨロヨロと階段を降りて玄関のドアを開けた。


「ゆ、優人...?」


「汐莉?大丈夫か?学校休んだから心配になった。メールの返信もないし」


優人が来てくれた。


それが嬉しくて。


でも意識はトローンとしている。


「熱出ちゃったの」


と言ったのと同じタイミングでフラりとめまいに襲われたと思えば、そのままバランスを崩して床に倒れかけた。


「汐莉っ!」


とっさに支えてくれた優人のおかげで倒れることはなかったものの、自力で立っているのは疲れてきた。


「とりあえずベッド行こうな?」


私は静かに頷く。