〈優人side〉

汐莉を迎えに家まで行けば、玄関先で汐莉は誰か男の人と話している。


それも親しげな感じで。


なんだか胸の奥がざわつく。


いやーな気分になった。


後ろ姿だから誰かは分からなかったが近づいて声を聞けば、


「玲依兄さんか」


汐莉の従兄で、たまに汐莉と一緒に遊んでもらっていたこともあった。


「あー、こんな可愛いしおりんを自分のものにしたゆーくん羨ましいなー。今からアピったらダメかなー」


玲依兄さんが言った言葉に焦りが出た。


俺の彼女、汐莉。


玲依兄さんになんて渡すかよ。


珍しく本気で。