「ダメに決まってます、玲依兄さん」


見れば優人が来ていた。


「久しぶりだね、ゆーくん。ずいぶんイケメンになっちゃって」


「汐莉は俺の彼女ですからね。手、出さないでくださいよ」


すると玲依くんは面白そうに笑って私の方を見た。


「愛されてんじゃん、しおりん」


それから優人に言う。


「まさか本気でそんなことしないよ。2人は弟と妹みたいな存在だし、何せ愛おしの彼女が僕にはいるから」


「「えっー!?」」


優人と二人揃えて、驚きの声を上げてしまう。


玲依くんにいつの間にか彼女がいたなんて!


「そんなにびっくりしないでよ。しおりんはもちろん可愛いけど、彼女は違った意味で可愛いから大好きなんだ」


いとおしそうに遠くを見ている玲依くん。


ほんとに彼女さんのことが好きなんだよね。


「なんかお邪魔っぽいしこれで僕は失礼しとくよ。またしおりんママには後日ってことで」


じゃあねー、と去っていった玲依くん。