あー、だめだ。
「優人...お腹空いた...」
目を覚ました汐莉がトローンとした目で俺を見つめてきた。
「おかゆ作ったけど、食べれるか?」
「うん、食べる」
背中を支えて起こすと、汐莉の口元におかゆを持っていく。
「えっ?」
いわゆるあーんだけど、それには抵抗があったのか、
「じ、自分で食べれるよ」
とスプーンを取ろうとしてきたけど。
「だーめ」
ついついイジワルしてしまう。
仕方なくなのか、どうなのかは分からないけど、遠慮がちに口を開いた汐莉。
そっと入れる。
「おいしぃ...」
にこっと笑った汐莉。
この笑顔が好きなんだよ、俺は。
破壊力抜群なその笑顔、いつか自分のものにしたい。

