叔父さんが帰ってきて、一緒に夕飯を取って、もう一度部屋を片付けて。そんな風に過ごしていたら、気付くと10時を回っていた。
お風呂から上がる頃になってもまだ達久が帰ってきていないため、そろそろ寝ようとしていた晴子さんに尋ねた。


「いつもこんな遅いの?」


「うーん、いつもは遅くても10時くらいには家にいるから……確かに遅いわねえ」


見ると時計の針は11時を指すところだった。
ま、でも男の子だしそんなに心配じゃないのよ、なんて言って晴子さんは笑った。


「先に寝るわね、ミコちゃんも今日は疲れたろうし早く寝るのよ」


「あ、うん。おやすみー」


「おやすみ」


廊下の奥に消えていく晴子さんを見送ってからキッチンへ向かう。濡れた髪をバスタオルで拭いつつ冷蔵庫を開けてお茶を取り出したときに、玄関の方から控えめに鍵の開く音がした。


達久が帰ってくる音だ。


先に自分の部屋に行ってくれることを願うも虚しく、彼はまっすぐリビングへ来た。
そこで対面式キッチンの陰に隠れるようにしてお茶を飲む私に気付いて、うわっと声を上げる。


「……なに、そんなとこにいたの」


「お、おかえり」


帰ってきた達久は制服姿で、反対に私はショートパンツにTシャツしかもノーブラで、髪だって濡れてボサボサだ。
対照的な姿に恥ずかしくなる。