朝7時
お母さんには
「愛菜と買い物に出掛けるから早く出るね」
と嘘をついた。
(ごめんなさい、お母さん。でもどうしても行きたいから...!)

大きなバックを持って待ち合わせ場所へ向かった。
その待ち合わせ場所はいつもスクールバスのくる駅。

一時待っていると向こうから黒い車がやってきた。
窓が空いて
「おはよう」
と米田さんが顔を出す。

「おはようございます!よろしくお願いします」

「ははっ(笑)いつものバスみたいだねぇ」
そう言うと
米田さんは外に出て私の荷物をヒョイっと持って、助手席のドアを開けどうぞと誘導した。
(紳士だ...やばい...)
朝からドキドキが止まらなかった。

「さて行こうか」

そうして
私たちの1泊2日の旅行がはじまった。


車中で米田さんはこんな事を聞いてきた。
「友達に僕達のこと話したの?」

「あ、すみません!でも、その友達は凄く信用できて私のことを応援してくれたので話す義務が有るかなと...」

「そうなんだぁ、じゃあ大丈夫か。凜ちゃんの信用出来る子なら僕も信用するよ。」

その言葉はものすごく優しかった。

「ところで凜ちゃんは僕のどこが好きなの?」

「いいんですか...?言っても」

「もちろん!教えてよ。」

「じゃ、じゃあ...言いますね。
まず、優しいところ。いちご飴が好きなとこ。そして可愛くて、でも可愛い反面どこか紳士で頼れるところ。私を好きでいてくれるとこ。そしてやっぱり笑った顔...。」

「へぇ~そうなんだぁ、ありがとう。笑った顔が好きだなんて初めて言われたよ結構照れるもんだね...」

「米田さんが言わせたんじゃないんですか!」
私の顔はもうこれ以上赤くならない位に赤い。

「よ、米田さんこそ!私のどこが好きなんですか!?」
私は思い切り聞いてみた。


「ふふ(笑)凜ちゃんの事は全部好き。頑張ってるところもどこか僕より頼れるところも。顔が赤くなるところも。ずっと幸せでいて欲しいって思うし、ずっと幸せにする!て思うよ」

「あ、ありがとうございます...(照)」
(ずっととか...やばい)

そんなこんな話してるうちに京都に着いた。