空色(全242話)


お迎えは11時。
メイクして髪を直して、服を着て……

私らしくもなく、昨日買ったばかりのワンピースを着てしまった。

花柄だったり、フリルの着いた物は流石に恥ずかしくて、白のシンプルなワンピース。
寒いからと言い訳つけてタイツとコートを着用する予定。

意気地無し……





『おはよ』

11時、5分前。
十和は玄関に現れた。

私は、まだコートを着ていない。

『可愛いじゃん』

十和は物珍しそうな顔をして、私の頭から爪先までじっくりと見る。

『何か俺、服着てる時のアユの方が照れて、直視できないんだけど』

『ははっ、何それ』

『感覚ずれてるよなぁ』

ってか、いつもだって、素っ裸なわけじゃないんですけど。

ちゃんとベビードールってもんを着て……
あ、あれも下着みたいなものか。

『何? コート着ちゃうの? せっかく可愛い格好してんのに』

コートに手を通すと同時、十和はそう言った。

『車だから暖かいよ? 上着なんて外を歩く時だけで十分だと思うな』

本当に口が上手いんだから。
そんな風に言われたら、上着着るのが変みたいに思うじゃん。

でも、まぁ。
もう見せちゃったし、隠す必要もないか。

『じゃあ…… 上着、車まで持っていってくれる?』

それに可愛い、なんて言ってくれたし。

『了解。 シワにならないように座席にかけとくね』

やっぱちょっと、嬉しかったしなぁ……